転院してから、父は別人のようでした。
眠ってばかりで、食事はほとんど食べられず、「嚥下ができない」と言われる。急性期病院では8割以上食べていたのに、なぜ?
疑問と不安を抱えたまま、介護認定の調査員はやってきました。結果は要介護5。転院からわずか1週間で、私たちはそれを突きつけられたのです。
食事量が落ちていく
転院してから、父はぼーっとしたり眠ったりすることが多く、食事量も減っていきました。急性期病院でも食事にムラはありましたが、8割9割食べる日も増えていたのです。リハビリ病院で看護師さんに聞くと、食事量が少ない日が多くありました。
ある朝、用事があって病院へ行くと、父はベッドで寝ていましたが、声をかけると反応がありました。「朝ごはん美味しかった?」と聞くと、首を横に振った父。この病院に来てから意思疎通が難しくなっていたのに、「美味しくない」ははっきり伝えられるんだと、思わず笑ってしまいました。
言語聴覚士との話|急性期病院の時と違う父の姿
入院2日目、理学療法士さんから父の食事について聞くことができました。
- 食事量は朝食(ご飯2割・おかず0割)、昼食(2割・2割)ほど
- 噛むことができず、「飲み込んで」と言われてもやらないことがある
- スプーンを持つが、口元まで持っていけない
- そのため言語聴覚士もつくことになった
今までの父の姿と違いすぎて驚きました。そこで言語聴覚士さんに、こうお願いしました。
「父は急性期病院では食事を8割9割食べていました。退院の日もお粥に海苔の佃煮をまぜて完食したし、母がプリンを差し入れした時は『美味しい』と喜んで食べていました。嚥下ができないと言われたことはありません。環境が変わってせん妄が強いのかもしれないし、味が好みではないのかもしれない。父の好みのメニューが出た時に、改めて嚥下の状況を確認してほしいです」
家族しか知らない「元気だった頃の姿」を伝えることは、家族にしかできない大事な役割だと思います。
脱水の心配|喉が渇いたことが分からない、伝えられない高齢者
声をうまく出せない。自分の気持ちを伝えられない。食事量が落ちている。水分管理は大丈夫なのか?そう思い始めた私は、高齢者の脱水について調べてみました。
調べれば調べるほど、不安になりました。高齢者は体内の水分量が少なく、喉の渇きを感じにくいため、気づかないうちに脱水症状になりやすい。脱水が進むと、意識障害や腎機能の低下を引き起こすこともある。
そして、私の頭をよぎったのは友達のお父さんのことでした。ちょうど1ヶ月前、友達のお父さんは同じリハビリ病院で、脱水による腎不全で亡くなっていたのです。他人事ではありませんでした。
父の食事量が落ちていくのを見て、「病気の人に合った食事って、どうすればいいんだろう」と初めて真剣に考えました。嚥下障害がある方や、糖尿病・腎臓病など食事制限が必要な方向けに、栄養管理された食事を宅配してくれるサービスがあります。入院中は病院食がありますが、退院後の食事をどうするかは家族が考えなければいけません。早めに知っておいて損はないと思います。
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300箇所以上の病院や介護施設でもご利用あり【メディカルフードサービス】転院1週間後、介護認定の調査員が来た
そんな状態が続く中、役所から介護認定の調査員が来ました。父は理学療法士さんの問いかけにも答えられず、リハビリができない日もあります。食事が食べられないことで、言語聴覚士さん、作業療法士さんもつくことになりました。そんな状態でも、手続きは待ってくれません。
結果は約1ヶ月後に届きました。父の介護認定の結果は、要介護5。
リハビリ病院に来て1週間。父は、そういう状態にあったのです。
要介護5を突きつけられて
要介護5。その数字を突きつけられても、まだ私たちは、父がまた歩けるようになると信じていました。ここから家族は、病院とのやり取りや施設探しなど、次々と決断を迫られていくことになります。


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