父は弟にこっそり言った|リハビリ病院で起きていた放置の実態

リハビリ病院

弟が帰省して、父の面会に行きました。久しぶりに会った父の口は乾き、お昼ご飯は1割しか食べていませんでした。

「ほぼ放置って感じでやばそう」

弟のこの言葉に、私たちは施設への移動を決意します。そして父は、弟にこっそりこう言ったそうです。

「もう会えんかもしれんけど、頑張れよ」

弟の帰省|母は退院の準備を進めていた

父が入院した時、私は仕事がひと段落していた時期だったので、2回帰省できました。次に妹が帰省するのは1ヶ月後。その間、母は一人です。そんな中、弟が仕事を調整して帰省してくれることになりました。

この頃、リハビリ病院の介護に不安と不満でいっぱいだった母は、弟が帰ってくるタイミングで父を退院させるつもりでいました。自分でケアマネを探し、家も見にきてもらい、病院にも退院すると伝え、少しずつ話を進めていたのです。

でも父は要介護5。まだ歩くこともできず、毎食前に痰の吸引が必要で、食事もミキサー食です。私たち兄弟は、まだ在宅介護は難しいと母を止めることにしました(この退院騒動については次の記事で詳しく書きます)。

弟が久しぶりに見た父|「ほぼ放置って感じ」

弟が面会に行った印象は、「ほぼ放置って感じでやばそう」というものでした。

父の口が乾いていたのでお茶を飲ませると、すごい勢いで飲んだそうです。父は自分で「喉が渇いた」「お腹がすいた」と言えません。お昼は1割ほどしか食べていないと聞き、弟が「食事がしっかり取れない時に補食してもらえますか?」と聞くと「無理です」。「それなら持ち込みで父に食べさせてもいいですか?」と聞いても「無理です」との返事でした。

父は弟の手を口元に持っていくなど、お腹が空いている様子だったそうです。朝も昼もあまり食べられなくても、夜まで何も食べられない。水分補給は、母が面会時にしているだけでした。

そんな面会の帰り際、父は弟にこっそり言ったそうです。「もう会えんかもしれんけど、頑張れよ」と。意識がはっきりしない時間帯もありますが、父はちゃんと回復していて元通りに向かっているんだなと思いました。そして父なりに自分の今の状態ではもう長くはないと感じていたのかと思うと、この時の状態はとても辛かったんだなと思いました。

病院の引っ越しと、1週間の面会禁止

母が退院を急いだ理由は、病院への不満だけではありませんでした。

この病院は新しい建物への引っ越しを控えていて、その間、1週間面会ができないことになっていたのです。

今は母が毎日面会に行き、お茶を飲ませています。父は喉が渇いているようで、2杯ほど一気に飲むそうです。そしていつも、お腹を空かせていました。母に会えない1週間、父は誰とも話をせず、水分補給もしてもらえず、喉が渇いてもお腹が空いても何も言えないまま過ごすことになる──母の不安は、日に日に大きくなっていきました。

血圧の上が60|リハビリができない日

弟が再び面会に行った時、リハビリをしていない日がありました。理由を聞くと「血圧が60なので、リハビリは控えました」とのこと。同行していたケアマネの叔母も「血圧の上が60は危ないね」と言いました。

私は血圧の上が60で何が危ないのか分からなかったので、調べてみました。

血圧の上(収縮期血圧)が60mmHgというのは、正常値(90〜139)を大きく下回る危険な状態です。脳や臓器に十分な血液が届かなくなり、次のような症状が起こることがあります。

  • 意識がもうろうとする、ぼーっとする
  • めまい・ふらつき
  • 冷や汗、顔面蒼白
  • 尿が出なくなる(臓器への血流不足)
  • 最悪の場合、意識消失

リハビリを控えたのは正しい判断でした。ただ、なぜ血圧がそこまで下がったのか。水分補給がされていなかったこと、食事が取れていなかったことと、無関係ではないと私は思っています。

看護師はいい人だけど|人が足りず手が回らない

血圧のことが心配で、面会に行けない日に弟が「尿は出ていますか?」と電話で聞きました。返ってきた答えは「出てますよ。シーツ汚しています」。

私が面会や電話をした時は、いつも優しく丁寧な看護師さんが対応してくれていました。でも、病院の職員全員がいい人という職場はありません。理学療法士さんからも「父は力があるから、きちんとリハビリすればもっとできると思う。でもここでは1単位しかできない」と言われていました。「手が回らなくてすみません」とも。

こんな状況だから、母が「絶対退院する」という無理なことを言い出すんだろうな──と、私は途方に暮れました。

母のメンタルの限界|急いで施設を探す

弟からの話を聞いた私たち兄弟は、早急に施設を探して父を移そうと、老健を探し始めました。

そして母は、ケアマネを探し、退院を勝手に進めていきます。家族の崩壊の危機については、次の記事に書きます。同じように遠距離介護で家族間のすれ違いを経験した方、ぜひコメントで教えてください。

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