母が父を退院させようとしていた頃、母は自分でケアマネを探していました。私は母との会話から事業所を割り出し、勇気を出して電話をかけました。
電話口に出たのは、なんとケアマネ本人でした。
その出会いが、その後の遠距離介護を大きく変えることになります。この記事は、私たち家族を支えてくれたケアマネさんとの出会いの記録です。
母が自分で探したケアマネ
リハビリ病院での退院騒動の頃、母は自分でケアマネを探していました。そのケアマネさんに家を見にきてもらい、ベッドや手すりなどを相談していたようです(この退院騒動については前回の記事に書いています)。
母から「ケアマネさん見つかったよ」と連絡があった時、本当に父を退院させる気なんだと分かりました。そこで私は、母との会話から事業所を割り出し、電話でケアマネさんに今の状況をきちんと伝えることにしたのです。
退院を止めるために、事業所に電話した
全く知らない事業所に電話する。その人がいるかも、繋いでもらえるかも分からない。そんな緊張の中で電話をかけると、なんと本人が電話を取ってくれました。「やった、奇跡だ」とホッとしたのを覚えています。
家族の状況──父は要介護5で在宅介護はまだ難しいこと、母だけが退院を強く望んでいること──を説明すると、ケアマネさんは「では、今度お父さんに会ってきたいと思います」と言ってくれました。
ケアマネとは|介護の相談窓口になる専門職
ケアマネ(介護支援専門員)とは、介護が必要な方とその家族が適切なサービスを受けられるよう、ケアプランの作成やサービスの調整を行う専門職です。
主な仕事内容は次のとおりです。
- 利用者の状態を把握し、介護サービスの計画(ケアプラン)を作成する
- ヘルパー・デイサービス・施設など、各サービスとの調整を行う
- 定期的に自宅を訪問し、状況の変化に応じてプランを見直す
- 家族の相談窓口になる
費用は介護保険で全額カバーされるため、利用者・家族の自己負担はありません。
ただし、ケアマネとの契約は在宅介護が始まってからスタートするのが原則です。つまり、父がまだ入院中の段階で相談に乗ってもらうことは、本来の業務の範囲外でした。
契約前なのに、ここまでしてくれた
それにもかかわらず、このケアマネさんは本当に親身に動いてくれました。
母に頼まれて、仕事終わりに家を見に来てくれる。母の話を聞いてくれる。私が「兄弟はみんな在宅介護を心配していて、病院や施設でリハビリをしてほしいと考えている」と伝えると、その考えにも共感してくれて、施設の情報を教えてくれたり、母に話をしてくれたりしました。
連絡はいつも仕事が終わった後にくれるので、仕事をしている私にも都合がよく、「なんでも相談してください」という言葉に、私たち家族はその後何度も甘えることになります。優しくて、仕事熱心で、経験も豊富な方でした。
良いケアマネとの出会いが、介護を変える
在宅を望む母と、施設を考える子どもたち。意見が割れた家族の間に立って、どちらの気持ちも受け止めてくれる人がいる。それがどれだけ心強かったか分かりません。
このケアマネさんとの出会いは、その後の施設探し、そして家族が壊れかけた時の大きな決断にも、深く関わっていくことになります。


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