リハビリ病院から父を移そうと決めた私は、帰省中に老健の施設見学へ向かいました。「施設には入れない」と怒っていた母も、当日はついてきてくれました。
2箇所の老健を見学する中で、思わぬ出会いがありました。「超強化型老健」──その言葉を聞いた瞬間、ここしかないと確信したのです。
この記事では、老健の見学体験と仕組み、そして母が施設入所を受け入れてくれるまでの家族の葛藤をお伝えします。
老健の施設見学へ|2箇所にアポを取った
今回の帰省中に、父がリハビリ病院を退院した後に入所する施設を見学することにしました。まず電話でアポを取り、日時を約束して向かいます。
見学先の老健は2箇所。ネットで調べたり知り合いに聞いたりしながら、母が面会に行きやすいところ、リハビリをしっかりやってくれそうなところ、面会がちゃんとできるところ──私たち家族のニーズに合う施設を選びました。
母は「もう施設には入れんよ。退院したら家に帰る」と怒っていて、見学にも「行かない」と言っていましたが、当日はついてきてくれました。
1つ目の老健|おやつがある温かい雰囲気
1つ目の老健は雰囲気がよく、日にちや曜日が壁に貼られていたり、自由時間にプリントをさせてくれたり、昼食と夕食の間におやつの時間がありました。
今の病院では、朝や昼に食べられなくても補食がなく、父はいつもお腹を空かせています。おやつがあるのは、とても魅力的でした。
2つ目の老健|まさかの「超強化型」との出会い
2つ目の老健は、実家からバスの便がいい場所にありました。ただ、ネットの情報ではリハビリが少なそうな印象で、私は断然1つ目が希望でした。
ところが、相談員さんと話をしていると、「うちは超強化型なので、生活リハビリをしっかりやって在宅を目指します」と言うのです。
「え〜!探してたんです、超強化型!在宅復帰率が一番いいところですよね」
実は超強化型の老健を希望して調べていたのですが、ネットでは市外の1つしか見つからず、諦めかけていました。まさかこんな近くにあったとは。母にも「毎年、国に在宅復帰率を提出してるから、今一番ちゃんとやってるところだよ」と伝え、父が家に帰ってくる日が近づいたと、嬉しくてたまりませんでした。ここが即、第1希望になりました。
老健とは|5つの種類と選び方
老健(介護老人保健施設)は、病院と自宅の中間に位置する施設です。病状が落ち着いた後、医療ケアとリハビリを受けながら在宅復帰を目指すことを目的としています。
老健は在宅復帰への取り組みの実績によって、5種類に分類されています。
| 種類 | 在宅復帰への力 | こんな人向け |
| 超強化型 | ◎最も高い | 在宅復帰を強く希望する方 |
| 在宅強化型 | ⚪︎高い | リハビリを重視したい方 |
| 加算型 | △一定程度あり | 様子を見ながら検討したい方 |
| 基本型 | △低め | 長期入所を視野に入れている方 |
| その他型 | ー基準未満 | まず入所先を探している方 |
- 超強化型:在宅復帰率・在宅療養支援の実績が最も高い。リハビリが最も充実。毎年国に実績を提出しており、実績が下がると分類の評価も下がるため、「今、一番ちゃんとやっている施設」の目安になります
- 在宅強化型:超強化型に次いで在宅復帰に力を入れている。1つ目の老健はこちらでした
- 加算型:在宅復帰への取り組みはあるが、上位2つの基準には満たない
- 基本型:長期療養向き。費用は比較的低め
- その他型:在宅復帰・在宅療養支援の実績が基本型の基準に満たない施設。まず入所先を確保したい場合の選択肢
この5分類は、家族の目標(在宅復帰かどうか)に沿った老健を選ぶ大きな目安になります。
母が「1つ目の老健なら入所してもいい」と言った日
見学した翌朝、病院に入所希望を伝える日のこと。母が「1つ目の老健なら入所してもいい」と言い出したのです。
私は2つ目(超強化型)がいいのでは…と思いましたが、地元で面会に通うのは母です。母が行きたいところが一番かなと思い、「じゃあ1つ目の老健を第1希望で病院に伝えるね」と答えました。
それでも在宅を望む母と、安全を優先した決断
母は、要介護5の父を在宅で見たいと言います。その気持ちは本当にすごいと思うし、父も家に帰りたいはずです。
ただ、今の状態で父が転倒して怪我をしたら、もう二度と歩けなくなるかもしれない。誤嚥して窒息したら、二度と会えなくなるかもしれない。母が倒れたら、母も入院、父はすぐに入れる施設へ──そうなった時の家族の気持ちを想像すると、私は在宅介護には踏み込めませんでした。
父と母にとって一番の幸せは何だろう。安全も大事だけど、気持ちを汲むことも大事なのでは。悩む日々の中で、何度考えても辿り着く答えは同じでした。老健に入って、父が少しでも安全に暮らせるようになってから家に帰ってくること。それが、私たち家族の幸せへの近道だと。
だから、母が「1つ目の老健なら入所してもいい」と言ってくれた時は、本当に嬉しかったのです。


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