ある日突然、父が救急搬送されました。
父のそばにいたのは母一人。子どもたちはみんな県外在住でした。「敗血症」という病気について何も知らなかった母はしばらく私たちに父の入院を知らせませんでした。父は「敗血症」になりICUに4日、その後帯状疱疹を発症し個室に5日間誰とも面会できませんでした。そして個室から出てきた時には「せん妄」で意識がはっきりしなくなり、「廃用症候群」で転院となりました。
敗血症は治って終わりじゃなかった
母は、「敗血症」が命に関わる病気だと知らなかったので、家族に知らせず毎日一人で父の面会に行っていました。そして入院から10日ほど経った頃ソーシャルワーカーから「転院か退院か決めてください」と言われました。なぜ完治していないのに退院させたり転院させるのか分からなかった母はここで私たちに連絡してきました。私はちょうど仕事が落ち着いた時期だったので、週末に1週間帰省しました。そして、母が理解できていなかった「退院か転院か」についてソーシャルワーカーにお話を聞きました。「敗血症」で搬送された父は治療を終え、もう急性期の病院ではやることがないとのことでした。でも治療を終えたと言われた父は、会話もままならず歩くこともできず、元気になったとは言い難い姿でした。
敗血症とは
敗血症とは、感染症がきっかけとなり、心臓・肺・腎臓といった生命維持に欠かせない臓器の機能が低下してしまう状態のことです。
例えば、腸に細菌やウイルスが感染して腸炎を起こしたとします。軽ければ腸の症状だけで済みますが、重症化すると炎症が全身に広がり、血圧が下がって血流が保てなくなったり、呼吸がうまくできなくなったりすることがあります。これが敗血症です。
敗血症は命に関わる重い病態で、日本国内では年間10万人以上の方が亡くなっていると推定されています。また65歳以上の高齢者がかかりやすいとされており、高齢化が進む日本では今後さらに注意が必要な病気と言われています。
治療では、感染源となった細菌などを取り除く治療(抗菌薬や手術)と、弱った臓器の働きを助ける治療(人工呼吸器や透析など)を同時に行う必要があります。重症の場合は集中治療室(ICU)での治療が必要になります。(参考:国立国際医療研究センター)
治ったのに退院できない|廃用症候群とせん妄
普通なら退院して終わりですが、父は日常生活は全介護、一人で歩くこともできなくなっていました。車椅子に移動するだけで看護師2、3人の手を借ります。このように病気で長く寝ていたことで体の機能が全体的に弱ってしまった状態のことを「廃用症候群」と言うそうです。それに「せん妄」で会話もままならないこともあります。これでは母が一人で家で父と過ごすのは無理です。私たちはリハビリ病院へ転院することにしました。
「廃用症候群」(参考:健康長寿ネット)
同じ立場の家族へ
私たち家族は、父が入院して母一人で対応してきました。そのため医師やソーシャルワーカーの話を理解できていないところがあり、リハビリ病院への転院が遅くなってしまいました。急性期病院は治療をするところ、治療後家で過ごすことが難しい時はリハビリ病院へ転院するという流れを今回初めて知りました。この流れを把握しておくだけで、ソーシャルワーカーとの話もスムーズになり、家族としてこれから先の見通しを立てることができます。
「せん妄」については、面会時のNG行動と合わせてこちらに書きました。「父の入院でせん妄を初めて知った|家族がやりがちなNG面会」

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