リハビリ病院を転院したい|療養病棟の現実と家族が決断するまで

リハビリ病院

「トイレに行きたい」と父が母に伝えました。母が看護師さんに声をかけると、返ってきた言葉は──

「オムツにお願いしま〜す」

転院してから、父への対応への不満が少しずつ積み重なっていきました。布団が濡れたまま、水分補給は面会時だけ、リハビリも思うように進まない。

父をこの病院に置いていていいのか。家族の中で、その問いがだんだん大きくなっていきました。

バスで片道2時間|毎日通い続ける母

母は父が入院してから、毎日面会に通っています。

この病院は場所が不便で、家の近くのバス停からは1本で行けません。最寄りのバス停まで30分歩き、バスの本数も少ない時間帯は2時間に1本ほど。片道1時間の道のりです。

私たち兄弟は「いつでもタクシーを使っていいから」と繰り返し伝えていましたが、母はあまり使いませんでした。

病院に着くと、父は喉が渇いているようで、お茶を2杯ほど飲むそうです。この「面会時のお茶」が、後から思えば大事なサインでした。

「オムツにお願いしま〜す」|積み重なる不満

ある日、父が母に「トイレに行きたい」と伝えました。母が看護師さんに声をかけると、「オムツしてるから、オムツにお願いしま〜す」と言われたそうです。

この話を聞いたとき、驚きました。父は家に帰るためにここにいるのでは? ずっとオムツで過ごすの? これで在宅に向かっているの?

「早く家に連れて帰らんと」。母は1日でも早く在宅介護を始めようと思い始めていました。

看護師長の答え|「これ以上は無理」と言われた日

母が面会に行くたびに、「ここの看護師さんは忙しくて、言ってもやってくれない」と言うようになりました。濡れた布団に父が寝かされていて、気づいたのが母だったことも一度ではありません(この経緯は前回の記事に書いています)。

病院では看護師さんが交代で働いているので、利用者の情報が共有されていないのかもしれない。そう思い、看護師長さんに伝えてもらうよう母に声をかけました。返ってきた答えはこうでした。

「うちは決まった時間に4回オムツ替えをしている。これは他の病院に比べて多い方で、これ以上増やすことはできない」

この病院にいて、父は回復するのか?

父はまだ、自分からうまく話すことができません。布団が濡れていても、寒くても、掛け布団がずれても、そのまま寝ています。水分補給も、母が面会に行った時にしているようです。

それなら、面会に行けない日曜祝日は、父は食事以外で水分をとれないの? 食事をあまり食べられなかった日は、脱水は大丈夫なの?

遠距離介護で、こういう心配を誰にも相談できないまま抱えている方、いませんか。私たちもそうでした。病院への不安や不信感は募っていく。でも、家に帰れる状態ではない。一体どうすればいいのか。

転院を考える|リハビリ病院に種類があると知った

母は、もうこの病院に長く入院させたくないようでした。家に連れて帰って、一人で介護しようとしている。だけどそれはあまりにも危険なので私たち兄弟は、父を転院させてしっかりリハビリをして、在宅介護に向けて動こうと考え、転院について調べ始めました。

この頃、リハビリ病院には種類があることを初めて知りました。回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟──同じ「リハビリ病院」でも、リハビリの量がまったく違うのです(詳しくはこちらの記事にまとめています)。

調べれば調べるほど、今の病院への不安が大きくなっていきました。

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