父が救急搬送されてから、「ここではこの治療までしかできないので、リハビリは別の病院で」「リハビリ病院は最大でも60日までしかいられません」など、「何で?」と思うことを色々言われました。調べてもなかなか納得いく答えがなく、どう調べればいいのかも分かりませんでした。
転院の話が出るたびに、「次はどこに行くの?」「どんな病院なの?」と頭の中が混乱していました。
この記事では、実際に父の入院・転院を経験して初めて知った、病棟の種類と違いをまとめます。同じように「何が何だか分からない」という方の参考になれば嬉しいです。
高齢者の入院から在宅までの流れ
まず全体の流れを把握しておくと、それぞれの病棟の役割が理解しやすくなります。
- 急性期病院(救急・手術などの治療)
- 回復期リハビリ病棟/地域包括ケア病棟/療養病棟(症状が落ち着いたら転院)
- 在宅介護 または 介護施設
救急搬送や手術後は「急性期病院」で治療を受け、症状が落ち着いたら次の段階の病棟へ転院します。転院先は主に3種類あり、患者の状態によってどこに行くかが変わります。父の場合も、救急搬送から約2週間でリハビリ病院への転院を勧められました。
回復期リハビリ病棟とは
急性期を脱した後に、集中的なリハビリを行うための病棟です。
脳卒中や骨折などの疾患を対象に、1日3時間以上のリハビリが提供されます。「歩けるようになって家に帰る」ことを目標にした病棟で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門スタッフが連携してリハビリを進めます。入院期間は疾患によって異なり、脳卒中の場合は最長150日〜180日です。
私がこの病棟を知ったのは、父が地域包括ケア病棟に転院した後でした。もっと早く知っていれば、ソーシャルワーカーや医師に打診できたのに、と思いました。
地域包括ケア病棟とは
急性期治療を終えた後の「橋渡し」的な役割を持つ病棟です。
「すぐに在宅に戻るのは不安」「もう少し様子を見たい」という患者に対して、在宅復帰や施設入居に向けた準備を行います。リハビリも行いますが、回復期リハビリ病棟ほど集中的ではありません。入院できる期間は最長60日です。
父はこの病棟を紹介されました。なかなかリハビリが進まず、本当に在宅を目指しているのか不信感いっぱいでした。地域包括ケア病棟がダメなのではなく、父が紹介された病院の問題ではないかと考えています。
療養病棟とは
長期的な医療ケアが必要な患者のための病棟です。
回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟と異なり、入院期間に上限がありません。医療的な管理が必要で、在宅復帰が難しい状態の方が長期入院されることが多い病棟です。
3つの病棟の違いをまとめると
| 回復期リハビリ病棟 | 地域包括ケア病棟 | 療養病棟 | |
| 目的 | 集中リハビリ | 在宅復帰の準備 | 長期医療ケア |
| リハビリ量 | 1日最大3時間(9単位) | あり(強度は低め) | 少なめ(維持程度) |
| 入院期間 | 最長150~180日 | 最長60日 | 上限なし |
| 主な対象 | 脳卒中・骨折など | 急性期後の経過観察 | 慢性疾患・長期療養 |
転院先はどうやって決まるの?
転院先は、主に次の3つで決まります。
① 患者の状態・疾患の種類
回復期リハビリ病棟には、入院できる疾患の条件があります。父は指示に応えることができなかったため回復期リハビリ病棟は勧めなかったと、後から急性期病院のソーシャルワーカーに聞きました。
② 入院期間のタイミング
急性期病院での治療が終わる頃に合わせてリハビリ病院を決めておくと、寝たきりの期間が少しでも短くなりスムーズに転院へと進めます。私たちはそれを知らなかったので、リハビリ病院を探すのが遅くなってしまいました。
③ 受け入れ先の空き状況
希望する病棟に空きがなければ入れません。転院先が決まってもすぐに話が進むわけではありませんでした。
家族として知っておきたいこと
実際に経験して感じたことを、いくつか書いておきます。
転院の話は突然やってくる
「そろそろ転院を」という話は、急性期病院に入院してからそれほど時間が経たないうちに出てきます。入院初期から転院後のことを意識しておくことをおすすめします。
病棟の種類と役割を事前に把握しておく
私のように何も知らないまま転院の判断を迫られると、後から後悔することもあります。基本的な知識があるだけで、医師や相談員との話が格段にスムーズになります。
ソーシャルワーカーに相談する。ただし任せきりにしない
転院先の探し方や手続きは、病院のソーシャルワーカー(医療相談員)が相談に乗ってくれます。ただ、事務的な方もいます。こちらが何を聞けばいいのか分からないと質問もできないので、最低限の知識を持って話を聞くことが大事だと感じました。
まとめ
回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟・療養病棟、それぞれに役割があります。転院先はどこでも選べるわけではなく、患者の状態や疾患の種類、タイミング、空き状況で決まります。
「なぜこんなに早く転院しなければならないのか」「なぜうちの親はあの病棟に行けなかったのか」——その答えは、病院の仕組みを知ることで少し見えてきます。知識があるだけで、家族が後悔せずに済んだ選択ができたかもしれません。少しでも参考になれば嬉しいです。
※転院全体の流れと転院前のチェックリストは、別の記事にまとめています。


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